先週、2014年にはインフレが吹き荒れるといった予想を書きましたが、ある税理士さんも「こんな日本はダメになる」と言って、東南アジアにお客さんと視察に行かれました。
その中身は、やはり資産防衛のための具体的な資金の受け皿探しでした。例えばシンガポールもその対象ですが、この国も今は不動産はバブル状態。
シンガポールの資産家は、高級マンションなどはあまりにも高くなり過ぎてしまい、今はマレーシアの高級マンションを購入しているという。
日本のバブル期もそうだったが、だれがババを引くのか、それが一番の問題。華僑の国といっても過言ではないシンガポールでは、「国破れて山河あり」なんて言葉は通じない。
国より、御身大事だから、自らの資産が危機に瀕すれば、より有利な所、世界中どこへでも資産を移動させてしまう。今密かに狙われているのが、なんとカナダ。
今後鉱物資源産出国として世界一になるのが、なんと中国ではなく、カナダだという。これも地球温暖化で、北極海の氷が解け、鉱物資源を採掘できるようになったためだという。
日本人には投資する先として、カナダを考える人は少ないし、現に米国の付属の国といったイメージでしか、同国を見ていない。しかし、オイルサンドやそのほかの鉱物資源を採掘するのは、2000万人の中国移民だ。
もちろん、酷寒の地に赴くわけだが、今の日本人にはそんな気概のある人々はほとんどいないに等しい。仕事は日本でしか見つけない。海外なんてもってのほか。やはり落ち行く国の国民には、海外への仕事探しは無理。
世界中どこに行っても、日本人の旅行者はいる。しかし、移民として、南米などの移住したのは、日本が貧しかった今から70~80年前の話。GNP世界第2位になった昭和43年当時からもう、海外への移住はほとんどなし。
それからすでに40数年。資産家たちは、資産を他国の安全・有利な所に移そうとはしているが、自らはこの国から出て行こうとはしない。そんな日本人に、海外の悪徳金融コンサルタントは喜んで近づいてくる。
果たして、そんな輩の餌食にならないよう、税理士さんたちはしっかりコンサルティングをしているのだろうか。ぜひ守ってほしいものだ。今回は事業承継とは異なる話だが、資産がなくなれば事業承継もあり得ませんね。
事業承継支援室長
大滝二三男