今や夢物語になりつつありますが、あのバブル全盛期の頃、世界中のオークションで日本人の代理人が幅をきかせ、日本には欧米の代表的な絵画を筆頭として数々の美術品が流入しました。当時はまともな貯蓄もない私でさえも中産階級にいると勘違いしたものです。一億総中流階級と浮かれていた時代ですね。
その後、日本人は3K職場から離れ、第3次産業とくにサービス業に従事することが良いことだとばかりに、汚れる工場勤務からホワイトカラーに転身。その結果、多くの日本企業が、人手不足から賃金の安い中国などに工場を移転するようになりました。労働者の質はともかく、労働コストが安いというだけで移転した企業も少なくありません。
そしてこの20年、中国に進出した中小企業の多くが、地方政府の役人等のいい儲け先として”食い物”にされたことは、多くの事例が証明しています。したたかな中国人にいつも間にか身ぐるみはがされたというわけです。もちろん、ファンケルのように中国で一大ブランドとして定着した企業ももちろんありますが、これは少数派。
先日中国で仕事をしている方からお聞きしましたが、中国国内で富裕層のなったほとんどの人が役人上がり、または地方政府のお偉方と強烈なコネクションを持っている一部の人達で、その数は約一億人が億万長者だといいます。日本の全人口に相当する人達が裕福な生活をし、億ションに住んでいるそうですが、その人たちからに依頼です。
何と日本の不動産を購入したい。ついては確実にもう受けられる物件を紹介してもらいたいというもの。依頼主は中国の沿海地域に住む人ではなく、内陸部の人達からだという。上海に代表される富裕層ばかりでなく、中国全土からの要望だという。なぜ日本か?日本人は安全で、人を騙さないということだそうです。
首をかしげたくなる購買理由ですが、まさに地価の下落が続いている日本にとって、これは朗報なのか、果たして夢のような話なのか、まさか身近にこのような話を聞くとは思っても見ませんでしたが、何とこの15年以上つきあっている中国人からも同様の話が舞い込みました。しかも、上海で不動産に関連する事業を行っている彼からです。
日本に10年生活し、中国にもっどて起業をしたこの友人も中国に帰り10年、やっと40歳になったところですが、今や不動産関連の事業を展開する4つの企業のオーナーで従業員も300人を超えるまでになっています。その彼から万博後の上海および中国経済に不安があり、財産保全のため、今最低の状況になる日本の不動産を仕込みたいと希望が伝えられました。
日本の不動産を中国人が購入できるのかどうか、そしてその購入代金が中国政府の了解の元ちゃんと売り主の手に入るのか、もちろん門外漢ですから、さっぱり分かりませんが、こんな話、和宅sにんところに来るようでは、きっと日本全国の税理士先生のところに寄せられているのでしょう。
そういえば、あのバブルの時、ニューヨークのシンボルとされたマンハッタンのビルを三菱地所が買ったことがありましたね。あれから10数年過ぎて売り主が買い戻したときには相当安くなっていたそうですから、この不動産投資は大失敗。でも、中国人が購入する日本土地がさらに安くなりようがないですから、今回はいい投資でしょうね。
それにしても、同じ民族を信じていない中国人がこれほどまで多いとは。全世界にチャイナタウンがあるように中国人同士の結びつきは他民族が見るとうらやましいほどと思いきや、それは故郷を離れた人達の話だったのか不思議です。でも、中国の会計事務所はまだまだ信じられないのが中国事情のようですが、先生いかがしますか?
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。