わが税理士業界は職人さんの世界ではないが、このままの経済状況が続いていくと、お客さんである中小零細企業が減少の一途だから、職人さんの世界と同じように抜き差しならない状況になってくる。
もちろん、税金がなくなるわけがないので、その職業は存続する。ただし、年老いて、死ぬまでできるこの職業もそこそこの年齢で辞めないと、近い将来、目が飛び出るほどの賠償金を請求される時代がきっとやって来る。
それを良くわきまえている若手の税理士たちは、経済情勢のためもあるが、独立することなく、勤務税理士として身の安全を保つ。税理士法人制度のおかげで、ゴーイングコンサーンができるようになったことも一因。
この制度ができるまでは、一生うだつの上がらない勤務税理士のまま、所長のご機嫌を伺いながら(?)サラリーマンを続けなければならなかった。それがいやなら、独立して荒波に乗り出すしか方法がなかった。
ところが今は、税理士法人そのものが、他人の税理士同士が組織を作り、合議制で経営を行うようにもなってきている。サラリーマン社会と同様、出世のために切磋琢磨する時代になりつつある。
このあと、一世代代われば(ひょっとすると、二世代必要かも?)、、税理士法人のパートナー制は、監査法人並みに定着し、集団指導体制が出来上がってくるだろうことはおよそ推測ができる。
そのときのために、税理士さんは組織論を十分研究し、効率的な経営を行っていくためにはどのような組織を作っていくべきかを自ら身をもって習得する必要があれだろう。「すべての責任は所長が取る」ではいけません。
無限連帯責任を本当の意味で自覚し、企業の役員がどのような立場にあるのかを、中小企業レベルではなく、上場企業のレベルまで高めて、日々の業務に邁進する必要がありそうだ。真のパートナーとなるために!!
事業承継支援室長
大滝二三男