”月額顧問料9,600円!”と、まさに低価格で大幅に業績を伸ばしている税理士法人が数社あります。
これらの法人の営業はすべてネット経由。営業対象は新設法人がメイン。経営者は30代。
このご時世で、新設法人なんてそんなにないでしょう。それに新設法人の場合、顧問料がもらえるだろうか?
そう考えるのが、これまでの慣習に浸りきった税理士事務所経営者。
果たして、9,600円で商売が成り立つのだろうかと言えば、もちろんノー。
謳い文句は”顧問料9,600円”でも、実際には年間35~60万円の報酬を獲得しています。
なぜ?
これまでの税理士さんはお客様の紹介で、新しい顧問先を獲得するのが、王道。
これは今でも不変ですが、新設法人の場合、そのほとんどが紹介者がいません。
税金の相談はしたいものの、どこに行ったらいいのかわかりません。
そこで、インターネットでチェック。たくさん定額料金の税理士法人が出てきます。
新設法人の場合、事務所がマンションの一室であったりしますから、来客はうれしくありません。
低額料金の税理士も”新規顧客候補”の事務所に行くコストを考えると、来てもらったほうが安上がり。
さらに事務所も見てもらえるので、こちらのほうが好都合。
消費者のほうから商品を買いに来てくれるので、営業トークもしっかりでき、成約率も抜群に良い。
しっかり作られたパンフレットで、商品説明がされているうちに、9,600円が3万円を超え、それでも客は満足。
なるほど、これまでは税理士が事務所に出かけ、種々説明するも、なかなか成約するまでには時間がかかる。
そのうち、「どうせ来ないだろうし、新設法人で顧問料も払えないかもしれない」とあきらめてしまう。
この辺がこれまでの慣習に身をかませている税理士事務所。
しかし、飛躍的の伸びている事務所は営業担当者を雇い、毎日のように新規顧客のフォローをしている。
さらに、これまでお客さんに価格の説明などしてこなかった先生たちには、いまさら説明もできない。
しかも、マンションの一室、トイレも事務所の入り口にといった事務所では、新設法人の経営者も敬遠。
といったようなわけで、新設法人を営業目標にした税理士法人が飛躍的に伸びています。
伝統的な営業なき事務所経営をしてきた先生方には、彼らは価格破壊者としか映らないかもしれません。
時代は変わりました。これからはますます事務所を選ぶ際には、ネットでのチェックが入ります。
事業承継をする際にも、譲り渡す側の先生も承継者のホームページをチェックする傾向になっています。
ホームページのない事務所には事業承継はもう無理のようですね。
昨日の情報交換会からの報告でした。
事業承継支援室長
大滝二三男