本日、都内の税理士さんから、電話がありました。この方は定年まで商社にいて、その後税理士を開業したエリートです。大学しかり、大商社も然り。
商社マンの場合、定年といっても、それは決して公務員とは比較にならないほど早くやってきます。上級のの管理職を除き、現場で使い物にならなければ、ポイ捨てに近い状態です。
そんな彼が、後輩たちが定年後に税理士を開業したいというのだが、自分のところで受け入れるほどの規模ではないので、近い将来、会計事務所を買収したいが現実にはどうかというのです。
以下に商社で優秀な経理マンで、在職中に税理士試験に合格し、定年を迎えて、税理士としての仕事をしたいというのです。そのような人が中小零細企業を相手に税理士稼業が務まるでしょうか?
答えはノーですね。一両の商社で、経理の仕事をしていた人が大企業の経理や税務・税務が分かっていても、記帳代行が必要な中小零細企業にとってほとんど使い物にならないでしょう。
それでも、資格があれば税理士として、第一線に立つことは可能です。しかし、たとえ、電話をいただいた先輩がどんなに頑張っても、それは商社の延長線上で仕事をしているから可能なこと。
そもそも、中小零細企業の記帳代行から税務、財務の相談をしているわけではなく、大企業の関連会社の税務の相談をやっているに過ぎません。そんな状況で、後輩たちを助けることも不可能。
このような方々にも、実は会計事務所のM&Aを勧めるDMがかなりの数とどいているようです。「会計事務所のM&A専門会社」などと謳っているようですが、企業名は「××協会」などと。
都内の事務所数はかなりの数ありますから、”数打てば当たる”的にDMを打っているのでしょうが、どうなんでしょうかね。弊社のような公的な団体に加盟している通信社が比較して?
会員制を強いている企業もあるようです。「会員になるには数十万円の会費が必要で、一年間紹介できなければ会費はお返しします」と言うそうですが、それなら最初から会費は取るなです。
前述のような大企業出身の方や顧問先がなかなか増えない税理士さんが、藁をも掴む思いで、そのような専門業者だと宣伝する業者には格好の”餌食”になるのではないでしょうか。それも現実。
事業承継支援室長
大滝二三男