5年後の税理士事務所は今の経済が続くことを考えると、ほとんど半数は消えていくだろう。新規の税理士登録者もここ数年、勤務税理士として働いており、開業する人はごく少ないのが現状。
数年前までは、開業してすぐにも食える状況にあってが、現状ではそう簡単なものではない。日本税理士会連合会の実態調査によれば、アンケートに答えは人の25%が年収500万円未満。
これは昨年9月の調査結果だから、年収500万円の税理士さんは現在はもっといるはず。勤務税理士のウエートは11%弱で、これらの人の年収が平均を押し下げているということもできるが。
それにしても、開業して500万円しか年収がないとなると、何のための開業かということになる。勤務税理士の方が責任もなく、収入も良いとなれば、自然と開業する人は減ってくるのは道理。
それでは、どんな税理士事務所が減少していくのだろうか?現状の事業承継のお手伝いをしている中で、やはり高齢の税理士さんの事務所で職員が2~5人程度の小規模事務所にその可能性が高い。
後継者もなく、先生の高齢化でお客さんも、税務申告だけ、帳面付けだけをお願いしているという自営業者なども大幅に事業を店じまいしていることを考えると当然帰結か。5年で半減です。
さらに電子申告の普及で、若い経営者たちは自分で帳簿をつけ、申告も自分でやってしますという傾向も出てきているところから、普及に協力している筈が、いつの間にか自分の首を絞めるとは。
逆転の大技はあります。それは皆確定申告の導入だ。4000万人の給与所得者が全員確定申告をする必要がでたとき、今の税理士の数ではもちろん大幅にたりません。
そうなると、アメリカのように資格がない人でも国税庁の資格審査をクリアした個人および法人が個人の確定申告を有料で処理することを認めるでしょうが、それでも足りません。
ですから、税理士の先生は確定申告のシーズンだけ働いて、十分生活できる収入を手にすることができるようになります。これは人生の幅を大きく変えるに違いありません.アメリカ仕様ですね。
このような業務を専門にしている資格者にとって、事務所をM&Aするのは非常に簡単になります。優雅に半年しか働かず、残りは奉仕や旅に、それこそ世界一周する時間は十分アできます。
日本でもサラリーマンも確定申告させること、これは企業にとってもコストカットできることですから大賛成でしょう。確か経済界からも年末調整業務を返上したいという要望がありますからね。
事業承継支援室長
大滝二三男