この10年、税理士事務所を開業した先生たちのご苦労は、経済成長期に開業した先生方とは比較ができない、大変なものです。
顧問料という、お布施の世界で生きてこられた経済成長期の先生方にとっては、今や自分の子供や孫の世代が開業しているわけですが、まさに他人事。
ご自身の苦労に比較して、現在の開業世代の苦労は分かろうとしても、分からないでしょう。とにかく顧問先がないのです。新規開業もありません。
こんにちわと、電話なり、税理士事務所の扉をたたく人が少なく、しかも、インターネットの世界で仕事をしている兵にとって、税理士??です。
企業経営に必要な財務の問題を、企業経営者と顧問を務める税理士や会計士がともに共通意識を持って、果たして対応できるのでしょうか。
多くの中小零細企業は、資金繰り対策に税理士さんの力を利用したいと考えていますが、資金繰りのアドバイスはできても、果たして実効あるかどうか?
そうなると、税理士事務所の使命は何でしょう。やはり、税務申告を適正に行い、徴税サイドの応援をすることだけがその存在意義なのでしょうか。
もちろん、税理士先生たちは徴税の応援団だとは考えていません。適正な納税をアドバイスし、中小零細企業の経営を応援するのが仕事だと考えています。
でも、黒字経営をお手伝いするといっても、税理士さんたちが経営者の第一線で切磋琢磨しているかどうか、やはり疑問が残ります。
黒字経営をするのは経営者の責任、バックヤードで、会計を健全な形で保てるようにアドバイスするのが税理士さんの仕事。今や、それすらできないようです。
こんな経済状況を作り出したときの為政者が、日本国民として断罪すべきではないか。エジプトのように。過激な一言ですが、若い税理士さんは大変です。
そして、それなりの資産を蓄積し、仕事に満足された高齢の税理士さん、怒られることを承知で申し上げます。どうか若い税理士さんに市場を譲ってください。
事業承継支援室長
大滝二三男