税理士法人の超大手といえば、監査法人系の税理士法人ですが、こちらも経営は大変のようです。
監査法人系の税理士法人の顧客はほとんど上場企業やその子会社などですが、4大監査法人の系列の税理士法人は外資とのつながりが強く、日本に駐在する外資の法人や個人の確定申告も扱っています。
これらの税理士法人の顧問料体系は、実際に業務を行った時間数で請求しますから、日本流とは異なります。そんな4大監査法人系列の税理士法人が今や手数料の価格競争の真っ只中にあるというから、一大事です。
先週のセミナーで実情を解説した講師の先生によりますと、日本企業は世界中にデフレを輸出しており、国内でも会計・税務の仕事を請け負っている税理士法人にも大幅な顧問料の引き下げを要求し、そのあおりの大波を受けているという。
こうなると、4大監査法人系列の税理士法人も、顧客を確保するため外資系の企業だけでなく、国内の上場企業クラスの企業とその関連企業(下請け・孫受け企業を含め)を顧問先にできるかどうかで、生き残りが決まるという。
翻して考えてみると、税理士事務所で高パホーマンスの事務所は、4大監査法人系の税理士法人の営業戦略に取り込まれる顧問先を何とか引き止めていかないとまさに”民事再生”の餌食となる可能性も大だ。
やはり、オーナー経営者は、税理士資格だけが商品であった時代は実は10数年目に終わっており、低価格競争に打ち勝っていくためのさまざまな対応を用意しなければいけない経営環境に取り込まれていることに気づかなければいけない。
営業努力を怠っている税理士事務所のなかには、この5年以内に閉めざるを得ない事務所も否が応でも増えてくることはあっても経ることはないだろう。世相を読み繰るのもその人の才能。果たして、あなたはいかに?
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。