個人事務所を経営する税理士には、将来の退職金となる小規模共済は、全額損金となるありがたい制度。
なかには、30年以上も掛け続け、利子が高かった頃の恩恵もそのままに税理士を廃業する日が待ち遠しい。
しかし、税理士法人を設立するために、個人事務所を廃業すると、共済からは排除されてしまう。
つまり、共済からは離脱することになり、その時点で″退職金″は支払われてしまう。
税理士を廃業するまで共済を掛け続け、それも年間84万円まで損金経理できる特典を受けたいところ。
それができなくなり、同時に、それ以降は退職金控除がなくなってしまう、ダブルパンチ。
さらに、法人の社員税理士なると、共済金の支払いが大幅に減額されてしまう、これはトリプルパンチだ。
とはいうものの、法人化で事業規模が拡大し、出資金の評価が上がれば、配当も増えることになる。
さらに、そもそも小規模共済の対象事業所より規模も拡大するだろうから、自社の退職金で十分になる。
そうすることが、法人の役員としての務めでもあり、従業員の退職金制度を拡充することが求められる。
小規模共済制度は退職金を自己で確保し続けることができない、そういった企業経営者に任せましょう。
事業承継・M&A支援室長大滝二三男
税理士法人の社員税理士になると、小規模企業共済から排除される?
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