今日はエープリルフールですが、本当の話です。軽いうそだといいのですがね。
ヨーロッパなどの絵画オークションで日本の企業や個人の代理人が派手に動き回ったのは、今から20年以上前のバブル絶頂期。ニューヨークの摩天楼に近いロックフェラービルを買ったり、コロンビア映画を買収したのもこの時期。国内にも次ぎから次へと、美術館が作られ、時を合わせて、美術品の購入の嵐が吹き荒れた。
今でも、もちろん、ゴッホやセザンヌ、ピカソなどの名画を持っている企業や個人もいますが、当時日本に買われた名画のうち、公立の美術館などに買われた作品以外ですでに”日本国籍”を離れているものは数知れず。もちろん、大英帝国やナポレオンのフランス、はたまた、ピョートル大帝のロシアにあった名画もその後、多くの個人や国の手を経て今の持ち主の手に。
つまり、その時々の富豪の求めに応じて、著名な芸術家の手による絵画は世界を巡っていたわけですが、その歴史を逆手にとって詐欺まがいの儲け話をしていた業者がこのほど金融庁から業務停止の命令を受けました。その業者の”口車”に乗って自分の顧問先の富裕層に、絵画ファンドを紹介し、大損させた会計人がいたようです。この様なファンドを紹介できる人は投資顧問業や金融商品仲介業者として各地区の財務局に登録された人です。
ところが、都内に本社を持つアート某会社は、絵画ファンドを組成しながら、実際に絵画オークションに参加することもなく、もちろん、投資するはずの絵画を購入することもなく、投資家から集めた資金を実際に運用することもなかったということで、金融庁からその業務を停止されたといいます。具体的にその事実は解明されていませんので、明確に指摘することができないのが残念です。
ただし、その業者の口車に乗った会計人もしくはその代表者が会計人である企業が金融商品仲介業者登録をはずされたといいます。それにしても、会計および税務の専門家が顧問先の資産を運用する手伝いをして、結果として手数料を稼ぐことはもちろん合法ですが、その投資対象が詐欺まがいのファンドであったら、それこそ目も当てられません。
でも、このような詐欺まがいの行為に会計人がだまされることが少なくないことに注目です。われわれが行っている事業承継のお手伝いしている中でも、だまされた方々が少なくことを知りました。まさに”口車”に乗って退職金まで取られてしまった国税出身の税理士さんもいらっしゃいます。どうやら、海千山千の会社経営者を相手にしている税理士さんたちなのに、お金の話、儲かる話になぜか弱いようですね。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。