会計事務所の”商品”が変わりつつあるようです。ある税理士法人の今年の「賃金ポリシー」として「独立開業するより高い給与を払う」を掲げていますが、これまでにはっきりここまで宣言した事務所はほとんどありません。
そう、会計事務所の”商品”といえば、自ら開業した所長税理士のみがほとんどで、所長に万が一のことがあれば、職員はバラバラ、中には顧問先とともに他の事務所に”移籍”してしまう事態になっていた。
その”商品”のひとつとして、「独立せずに高い給与を手にする税理士」が数えられることになりつつあるということのようで、もう所長税理士だけの個人事務所ではなくて、企業としての会計事務所経営が現実のものとなりつつある。
現状の大不況だからできるだといった、外野の声も聞こえてくるが、それも一理あると思うが、ここまではっきり宣言できる会計事務所が出現している事実に目を向けると、会計事務所経営も馬鹿にできないと思う人も少なくないであろう。
もっとも、この賃金ポリシーも行動指針で①成功しなさい②積極的にやりなさい③スピーディにやりなさい、としっかり高給を支払うためには職員が収益を確保のための心構えもしっかり打ち出しているので、若い職員にも理解しやすい。
税理士法人制度が産声を上げて6年、監査法人が現在のようにビッグになるまでに30年以上を要している現実を見るとき、税理士法人が監査法人のようにビッグになるには現在から2,3代経営者が代わる必要があるだろう。
その道筋を進む中で、現在の事業承継から経営承継に、会計事務所は進んでいくと思われるが、その中で税理士法人に期待されるものは非常に大きい。企業から信頼されるブランド税理士法人がその先鋒を果たしているのかもしれない。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。