先週、事業承継対策を行った先生の事務所に伺いました。病気を理由に対策を行ったのですが、肩の荷が下りたのか、“数値”が良くなり、食欲も出て、数年前に始めたスキーにも家族とともに行けるほど体力も回復したとのことで、大変うれしいお話でした。
経営者として仕事一途に40年のキャリアを積み、気がついてみたら、大病を患ったとのこと、しかし、この先生は70歳までには引退し、夫婦で旅行したり、ゴルフしたりすることを楽しみに常日頃から奥様と話されていらっしゃいました。
そしてまた、「エヌピーさんに相談して良かったよ」とも言っていただきました。対策をしっかり立て、職員の方々にも説明し、皆さんの協力を得ることができたのが一番の良薬だったようです。もちろんそこにはご家族の皆さんのご理解がなければできなかったことです。
そんな先生からこんな話が飛び出しました。お客様が投資話にのるべきかどうかを昨年秋に先生にご相談をしたいととの連絡をもらったが、そのとき先生は入院中で相談に乗れなかった。そこでお客様が独自の判断で先物商品で追加の投資をしてしまった。
ご多分に漏れず、サブプライムなどの問題もあり、先物相場も混乱、現在手を打つと2億円近くの資金が必要とのことで、とても中小企業の経営者では会社をM&Aしても手に入らない金額だということで、日々の商売どころではないという。
お客様への投資のアドバイスは、もちろん玄人ではないので、一般論としてしか、話はできないものの、やはり数十年会計を見てきた先生にとって、お客様が損をしないようにとのアドバイスはできても、相談に乗っていたとしても「やられていたでしょう」という結論。
やはり、素人ができる資産運用は、貯金に、定期に、貸付信託といったローリスクローリターンの商品を息長く、こつこつと行うのが一番。農耕民族の我々には最適に資産管理ではないでしょうかというのが結論。病に倒れていなければ、今頃お客様の恨みを買っていたかも
やはり、長く会計事務所を経営してきた先生にはそれなりのお客様がついていますから、事業承継を考えるとき譲り受ける先生は先輩の長い歴史を併せて承継する意気込みがなければいけないのではないかと考えさせられた事例でした。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。