会計業界も他業種同様、リクルートは売り手市場になっている。
新卒採用も増え、他業種との激戦に挑戦する事務所も゛苦戦中゛。
職員の移動が比較的激しいと言われる業界だけに、人材募集は゛肝゛。
それも、中途採用で、常時、募集しなければならない事務所もある。
資格者の場合、独立は雇用主にとっては、避けられない事態。
そのため、仲介専門業者と契約し、資格者確保に力を入れている。
それでも優秀な人材を集めることは、なかなか難しい。
就職探しをする資格者も、当然、あの手この手で情報を収集。
ネットでの候補事務所を調べ、悪い噂等があれば、その場で振り落とす。
悪い情報が書き込まれている事務所は、大手が多く、離職者の悪口も。
しかし、ここに来て、事務所の格差が激しくなってきた。
下らない悪口は無視し、待遇や業務内容のチェックで、移動先を決める。
仲介業者にもはっきりと希望を言い、それに合う職場を探す。
受験中の人も、仕事と受験勉強が両立できる事務所を希望することになる。
しかし、資格を諦めた職員の場合は、自分で探すしか方法がない。
知人や友人で、業界関係者しか、有力な職場の情報は出てこない。
このケースでは、自分の要望を強く出すわけにはいかず、我慢、我慢。
こうなると、就職してもそのうち我慢ができなくなり、また離職。
古いタイプの個人事務所では、仕事に精通した人を探すのは一苦労。
というよりも、仕事ができる人材は応募してこない、これが普通。
若者で試験勉強に挑戦中という人を探すのは、もっと大変だ。
所長のわがままに我慢し、無理な注文にも言われるままに、とは行かない。
そんな時代であることを気付かない所長のところには、人は来ない。
税理士法人との格差も広がるだろうから、優秀な人材を得られない。
また、定着率の高い職場は募集することも少なく、目立ちもしない。
そんな事務所を探し出せる人は、ほんの一握り。
個人事務所にとって、今後も゛リクルート地獄゛は続くだろう。
人材不足をカバーするため、経営者に大胆な業務の変革が要求される。
それを克服できる事務所だけが、生き残れるのかもしれない。
事業承継支援室長
大滝二三男