会計業界の人の動きが激しいことは業界人なら誰もが知っているが、人材紹介企業にとっては、良いお客。
新人は3年したら、三分の一いやそれ以上の人が辞めて他の事務所・法人に移り、人事担当者は大忙し。
個人の税理士事務所で、新人募集の責任者は、所長が務めるが、中には奥さんが担当している例もある、
今回の事例では、職員15人の事務所では、総務担当は先生の奥さんで、男性職員の定着率はなぜか、低い。
そのため、毎月のように新聞に募集広告を出し、人材紹介会社にも登録し、常にアンテナを張っていた。
日々、人材募集に苦労する奥さんを解放してあげたいと考えた所長の解決策は、何と事業承継。
これには奥さんも所長に思い止まるように説得したが、自らの体調が思わしくない所長は考えを変えない。
所長は、共に連れ合いに先立たれた再婚同士だけに、健康には人一倍気を遣い、奥さん思いからの決断。
所長も仕事をすべて辞めてしまうつもりはなく、事業を譲っても、顧問としてお客を見守る気はあった。
そんな相談を受けた当支援室では、人材担当部署を持つ法人を紹介し、支店創設を軸に交渉を続けた。
その結果、所長は支店の社員税理士に就任し、今まで通り、所長として高みから業務を見ることになった。
奥さんはきれいさっぱり事務所を離れ、所長の健康面をバックアップすることで、精神的に解放された。
人材難から事務所を閉鎖する税理士もいるが、夫婦は事業承継で人材募集の苦労から脱出できたわけだ。
事業承継・M&A支援室長大滝二三男
人事担当者は所長の奥さん、昨今の人材不足でノイローゼ気味?!
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