高齢の税理士が事業承継を考えたときは、勤務税理士がいれば、まずはその税理士に話をする。
10年ほど前に仲介した案件では、勤務税理士に承継を勧めたが、いい返事がなく、やむ無く当方に依頼。
そのきっかけが、何度話をしても的確な返事がなく、「自分が死ぬのを待っている」との判断があったから。
この税理士は法人が承継後も勤務していたが、担当の顧問先情報を明かにせず、1年後に″持ち逃げ″退職。
このような例はその後1件もないが、承継に納得しない勤務税理士は、承継前に退職していく例はあった。
また、法人が譲り受けて、勤務税理士を中心に支店経営を任す形で、関与先の不安を抑えている例もある。
しかし、転職相談をされた税理士が勤務する事務所所長から、承継相手を見つけるよう相談されるのは初。
所長にしてみれば、勤務税理士は後継者としての能力はないと判断したからこそ、支援室に来たのだろう。
転職相談の際に面談した時、所長候補としてまだ経験が不足だが、しばらく″教育″すれば資格は十分あり。
やはり、雇用主としては、自分と同程度の能力がなければ、事務所を譲れないと判断したのだろう。
同時に下世話な話だが、従業員の給与から見て、譲渡対価はそれほど請求できないと判断したのかも?
いずれにしても、後継者を決めるのは、単純に税理士であれば良い、そんなことは許されませんね。
事業承継M&A支援室長大滝二三男
転職希望の税理士が勤務する事務所の所長から、事業承継相談?!
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