多くの税理士事務所で、後継者がいないと悩んでいる先生は多い。
でも、本当に自分の事務所を他人に承継してもらおうと考えいている先生は、どれくらいいるでしょう。
多分、いつまでも、死ぬまで事務所を経営し(税理士を続け)、後のことは”知らん派”が圧倒的。
後輩の先生に「後は頼むよ」と言いながら、具体的なことは一切話さず、そのうちご臨終。
残された家族は、事務所をどうしていいかわからず、税理士会の相談してジ・エンド。
後から気づいて、「どうにかならないでしょうか?」と、弊社にも年に数件相談がある。
実は、後の祭り、先生がなくなられたと同時に、職員も食い扶持を確保するために、動き出す。
従業員としては当然の行動であり、税理士が亡くなれば、その時点で顧問先との契約は終了。
これが一身専属・税理士という身分の危ういところで、だれが顧問先に営業しても問題なし。
もちろん、ご遺族がこのようなことを知っていれば、事前に対策を練るはずだが、それもない。
先生自体が、もしものことを考え、事前に事業承継対策を十分にやっていればこれは回避できる。
ところで、勤務税理士がいる場合は、どうだろう。
果たしてその税理士が事業承継を受けてくれるだろう。
それも、それなりの承継の対価を払って!
以前にも報告しましたが、勤務税理士の給与では、もちろん対価を一度の払うことは不可能。
そのことは先生も十分承知のはずだが、いざ、話し合いとなると、一時金で○○円祓などと言う。
そのほか、奥さんが生きている限り、その生活費の一部を払うように要求したりする。
人生80年、90年の時代に、40代の勤務税理士が20年~30年も奥さんの生活費を払えない。
支給されている給与を考えれば、勤務税理士に余裕があるはずもない。
対価を一切払わず、先生の奥さんに毎月10万円程度を払う条件なら、たぶん承継できるでしょう。
でも、この支払いがいつ途切れるかも、実はわかりません。
事実毎月、うん十万円支払いますと言っていたのに、数か月で払われなくなったという相談もあります。
ですから、これは公正証書などにして残すしかないでしょう。
その慣習は今はありません。
でも、自分が修業した事務所の承継にはそれなりのものを払うべきでしょう。
そうすることにより、お客さんの信頼も、先生から引き継がれることになるのでしょう。
難しいことではないでしょう。徐々に自分のカラーを出していけばいいだけでしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男
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