これまでに父親の税理士はの認知症がひどくなり、当支援室に相談。
事務所がなくなると、家族にも収入の道がなくなり、お先真っ暗。
そこで税理士法人に提案、無事支店開設となり、家族も雇用。
先生は゛自由人゛で、毎日事務所に出てくるが仕事なし。
職員の働きぶりをしっかり観察し、ニコニコ納得し、自宅の戻る。
この先生は、仕事のことはすっかり゛忘れて゛いるから、害はなし。
ところが、まだらボケ状態の場合は、そうはいかない。
先日電話をいただいたのは、そんな状況。
税務について先生に質問すると、答はかつてのように返ってこない。
しかし、事務所の運営上の問題を質問すると、「問題なし」と即答。
職員が問題にしているのが、かなり進んでいる先生の認知症。
実は高齢のこの先生には、大事な後継者候補の息子がいる。
しかも、専従者になっているものの、事務所にはほとんど出てこない。
家で試験勉強をしているとのことだが、ここ数十年合格の報告もない。
それでも先生は、「事務所は息子が継ぐ」の一点張り。
先生がボケていなければ問題ないが、今は相当認知症も進んでいる。
職員は不安で、職場がなくなることを考えると、気が気でない。
これを解決するには、息子さんが試験に合格するしかない。
だが、どう考えてもそれは不可能!
職員が辞めて、お客さんを他の事務所にお願いすることもできない。
本音は、そうすることで自分達を自身を守れる、とは思うのだが。
長年仕えた先生に、弓を引くことはできない相談だ。
家族が最終判断をすべきだが、ひょっとして税務署の判断も必要か?
今後、税理士の認知症患者も増えてくることは充分想像できる。
そう考えると、彼岸の話ではない。的確な対応が期待される。
事業承継支援室長
大滝二三男