個人のお客さんを相手にする税理士業として、いやでも顧客との別れがあります。
経営者として,一時代築いてきた人が、その終焉の時を迎えます。
その人の人生がいかに続くかは、だれもが知ることのできないことです。
先日の広島の大災害でも、あれのどの災害に合うとは誰もが想像していないはず。
男の平均寿命が80歳と報道されたのが、数か月前。
俺はそんなに生きたく叫んでも、あくまでも統計上の話。
今いるあなた個人に、そのままあてはまるものでもない。
そんな寿命の中で、昨日参列したお葬式では、先生は享年69歳。
早すぎる死だ。
税理士として、30数年、売り上げから見ると、平均以上の事務所を経営されていた。
残念ながら、後継者を指名することはできなかったが、組織は維持できた。
そう、先生の親しい同業者(法人)にすべてを預けることができた。
というのも、日ごろから、「自分にもしもことがったら、頼のみます」と告げていたのだ。
その言葉を奥さんも聞き、病に倒れた際に、その友人の所に駆け込んだ。
結果として、そのことで、事務所の崩壊が免れた。
そう、支援室もその際に実務をすべて取り仕切ったのです。
あくまでも黒子として、ふるまい、先生のお別れの際も静かに頭を垂れさせていただきました。
事業承継の仕事をしているからこそできる、お別れ。
これまでに、そう、もう、20数名の先生とお別れしてきたんですね。
それも、数か月のお付き合いの先生方でした。
中には一度もお会いすることなく、話をまとめたことも。
先生のご家族から、先生の働きぶりをお聞きし、それに応えるだけの相手を探しました。
今回も、後継者がいらっしゃいませんが、法人が後を引き継ぎましたの、万全です。
そう、継続こそ力です。個人経営の税理士事務所から、法人への転換期でもあるでしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男