開業当時は、そろばんを片手に、その後は電卓が登場し、ずいぶん楽になった。
とはいうものの、いまだにそろばん片手に申告書を作成する人もまれにいる。
しかし、このような税理士はほとんど実務はこなしていないハズ。
記帳代行の主力は女性職員。彼女たちがパソコンにせっせと入力している。
さらに会計ソフトが税務申告書などをすべて、打ち出してくる。
そう、高齢の所長がいちいちパソコンを打っている姿はほとんど見ない。
というより、パソコンを使うことができない、というのがその理由。
そろばんも、電卓も使わない時代になってもう20年を超えようか。
そんな中で、実務をすべて職員がこなしているのが普通。
だから、超高齢の税理士が所長として、経営者として事務所を維持できているわけだ。
もちろん、実績はもちろん、人徳もあり、経営者として尊敬されていなければ、事務所は維持できない。
当然、超高齢の所長の家族、奥さんも事務所には出ていないはずだから、職員あっての事務所。
過去に事務所を閉鎖するので、事業承継の相手を探してほしいという、88歳の先生がいた。
その先生は50年におよび事務所を経営、最後は女性職員一人になっていた。
その職員が60歳を迎えるに当たり、仕事を辞めたいという話が出た。
それをきっかけに先生は引退を決意された。つまり、職員のための事務所継続だった。
多分、高齢の先生は、ご自分が辞めたら職員の生活も維持できないと考えているかもしれない。
そう考え続けているうちに、なんとなく超高齢になってしまった。
どうでしょう。身近にこのような超高齢の先生はいませんか?
税理士同士、事務所の中身について話し合うことがありませんから、内実は分からないでしょう。
しかし、本当に多くの超高齢の先生が事務所を継続しています。
資格だけを維持している先生も多いのですが、現実にお客さんに対応している先生も実に多い。
ですから、業務ができる年齢は(?)と訊かれても、明確な答えはないだろう。
でも、税法の改正などの細かい内容がはたしてすべてクリアしているかどうか、不安は残りますね。
そうここで言う超高齢者とは、果して何歳なんでしょうか?
事業承継支援室長
大滝二三男
5月12日・東京、13日・広島、14日・大阪で、税理士の事業承継セミナーを開催します。受講希望者は電話にてお申し込みください。