個人事務所の宿命で、所長税理士が引退すると、職員は仕事場がなくなる。
所長は、個々の職員に自分の好きな事務所に移れば良いとは明言しない。
結果、所長が事業承継の相手を探し、職員はそのまま雇ってもらう契約を締結する。
担当もそのままであれば、顧問先も安心するだろうし、契約解除もほとんど起きない。
しかし、その職員が所長と同年輩で、引き継ぐ予定の税理士より年上だと、問題もある。
職員より二回りも年下の税理士だと、引き継ぐ税理士だけでなく、職員もこだわりがでる。
そう、自分の孫ほどの新しい経営者に、素直に指導を仰ぐことができるのだろうか?
引き継ぐ税理士の職員も、新しい職員がはるかに年上だとしたら、やりにくいことだろう。
このような状況で発生する様々な問題を克服できれば、事務所の発展は間違いなし。
税理士法人が今後も増え、減ることは考えられない今、個人の組織替えも必須ではないか。
そうなれば、高齢職員の雇用確保も容易になるに違いない。たとえ、二代前からの職員でも!
事業承継M&A支援室長
大滝二三男