かつては、税理士が死亡した時、遺族が会計法人を設立し、実務を継続。
税理士がいないので、当然税務に関する業務には手を出せないはず。
ところが、日々の税務相談はもちろん、税務申告書作成業務も行う。
申告に際しては、高齢でほとんど顧問先も持っていない税理士に依頼。
申告書の中身もチェックせずに、判を押す。報酬は源泉徴収された10%の税金分。
形は会計法人の顧問として給与が支払われた。
明らかに会計法人はニセ税理士であり、税理士は名義貸し、業務禁止は免れない。
過去にも会計法人の主宰者から、勤務税理士の紹介依頼があった。
しかし、実質は名義貸しをする税理士を求める内容だったので、頑として受けなかった。
ところが、今回の要請は、会計法人を清算し、顧客をすべて引渡したいとのこと。
死亡した税理士は、一から十まで他人が経営する会計法人に任せ切り。
これまで当局の指導がなかったのが、不思議なくらいだと、会計法人の代表も言う。
しかし、当局から指摘される前に、自ら襟を糺した方が得策と判断したというわけだ。
来月には、数社の決算-申告もあり、早く引き受け手を探さなければならなくなった。
お盆明けには、候補者との面談をセットする段取りだが、果たして引き受けでは?
事業承継M&A支援室長
大滝二三男