こんな充実した話を聞いたのは、事業承継仲介を始めて初めてでした。
税理士稼業40数年、職員の教育に努める一方で、後継者も探した。
自らの事務所の職員からではなく、独立した税理士をリストアップ。
それらの税理士は、支部や同じ会計システムを利用している若手達。
常日頃から業務に対する取り組みや、職員対応などをチェック。
もちろん、現場を見ることはできないので、折に触れ、話を聞いていた。
仲間とのやり取りなどを見ていれば、性格も分かるし、経営姿勢も分かる。
10数年前に5人ほどリストアップ、その後5年で2人に絞った。
この2人を見てきたが、甲乙付け難い、しかし、この1年で1人に決めた。
その具体的な゛採点方法゛は定かにされなかったが、承継も決めるという。
具体的な承継方法は決めていないし、相手には何時とはまだ言ってない。
それとなくムードを伝えているが、具体的な条件も決めてはいない。
もちろん、職員にもそれとなく伝えているが、本気にはされない。
何時までも元気に所長を続けてほしいというのが、職員の希望。
所長が替わってしまうと、職員もこれまで通りには動けない。
そうならないように、事業承継時には、後継者と職員を指導する。
後は、自分が決めた後継者の自由にやってもらう。
何しろ、10数年見定めてきた後継者だから、自分の判断を信ずる。
相手も自分を信じてくれ、さらに職員を信じて、事務所を継いでくれる。
静かに身を引き、後はとやかくは言わない、と決めている。
このような話は、そうできたら良いな、との希望が殆ど。
しかし、今回の先生の話は現在進行形で、まもなく完了。
事業承継が終わった暁には、再びお会いすることを約束。
事務所を拡大中にもかかわらず、後継者選びをスタート。
それから20年、誰もが認める後継者を探し出した、その熱意に乾杯!
事業承継M&A支援室長
大滝二三男