こんな電話が昨日ありました。
同僚として、事務所の再建にともに頑張っていた先輩の答えでした。
「もう会計事務所の仕事は、自分にはできない。ごめん、ほかの仕事を探すよ!」
そんなことを言って辞めた先輩、その顧問先が次から次へと契約を解除してきました。
ここ数か月の話です。
先週、彼が担当していた法人から、「彼が営業に来て、これまで通りやりますから、よろしくと言ってきた」
なんて言うことはない。辞めた先輩が、自分が担当していた顧問先に営業をかけていたのです。
気心の通じた会計事務所の職員が、事務所を代わっても、顧問先はその担当者を信頼しています。
税理士さんが、職員に任せれば任せるほど、この傾向は強くなります。
決算の時にしか、先生は来ない。担当者のほうが、経営者の言い分が通るような気でいます。
職員も時に、「先生!」と呼ばれるようになります。いい気分です。
「社長、私が一生懸命見ていますから、ご安心ください」
そんなことを言っているかどうかは分かりませんが、とにかく話し相手として、『いい奴』なんです。
税理士資格がなくても、顧問先の経営者には関係ありません。
孤独な経営者は、自分の話を親身に聞いてくれるのであれば、誰でもいいのです。
同時に社長の奥さんが認めれば、なお結構。
税理士業界では、こんな話はどこにでもありますが、果たして”持っていった”人の心はどうなんでしょう。
いつまでも、”盗った気持ち”は持ち続けるんでしょうね。
今回の場合は、先生が事務所を統率できなくなってしまったことから出た事態です。
移った先の税理士事務所の経営者は、「この先、あいつが移るときには……」。
決して、心は許していないでしょうね。また同じように”裏切るだろう”。
そう、先だっても裁判になりましたしね。(このブログを読んでからの、今日の電話でした。)
事業承継支援室長
大滝二三男