会計事務所の従業員にとって、所長の引退は一大事。
先生が廃業してしまえば、従業員は路頭に迷う。
それを避けるために、所長は事業承継で、事務所を維持する。
引き継ぎが終われば、所長は引退の花道を飾る。
しかし、残る従業員にとって、新しい経営者の考えはすぐには分からない。
承継の話を事前に聞いていても、やっぱり不安は残る。
そこで承継の条件に、自分達の雇用条件が悪くならないことを要望する。
従業員とお客さんとのパイプこそが、会計事務所のキーポイント。
それだけに、新経営者にとっても、従業員の協力が欲しい。
引き継ぎ段階で、従業員の正確や考え方もわかってくる。
前所長と従業員との関係は、言わば親子関係に似ていた。
しかし、新所長と信頼関係を築いて行くには、やはり時間がかかる。
新所長の経営方針を徹底するには、従業員の理解と協力が必要。
そこで、最初の段階では、労働条件を一切変えないこと。
ぬるま湯に浸かっていた従業員なら尚更。
もちろん、いつまでもゆるゆるではやっていけない。
従業員自身が、その事を一番分かっているものです。
そう、労働条件は変えないことが、承継成功の近道です。
事業承継支援室長
大滝二三男