引退間近、高齢の税理士さんが危惧するのが、゛老人゛のおもり。
長年、顧問先の社長の話を聞いてきた税理士は、承継に不安を言う。
自分が辞めたら、顧問契約を切られてしまうという不安だ。
ご自身と社長の関係は特別で、他人が入る余地はないとも言う。
しかし、いつまでもその思いに囚われていては、承継はできない。
実際に毎月一度、顧問先に行き、会計業務はそこそこに、社長との対話。
長い時は2時間を越えることも、たびたび。
社内でも、社長の話をじっくり聞き、それなりの対応ができる人はいない。
社長も自分の意見に、的確な意見を言える人が聞き手になって欲しい。
まあ、気心の知れた税理士であれば、遠慮なく意見も述べる。
その時間こそが、税理士の重要な゛仕事゛であり、職員には任せられない。
とは言うものの、何時までも囚われているわけにはいかない。
事業承継をする相手の事務所に、おもりの出来る人材がいるのかどうか?
多分、承継する税理士が担当する以外、的確な対応は取れないだろう。
しかし、毎回税理士が訪問して、大ベテランの話を聞くだろうか?
答えはノーだろうし、職員が訪問しても、契約は破棄されないだろう。
実際の仲介案件でも、たびたびこのような話を聞かされてきた。
実際、承継後に所長が訪問しなくなっても、契約はそのまま継続している。
高齢の社長さん自体、自分も後継者が欲しい、先生が羨ましいと考える。
だから、前任の先生より若い担当者が来ても、同じように対応されている。
そう、若い担当者でも問題なく、顧問先の社長との関係も良好。
やはり、高齢の社長の見識で、担当者が代わることに理解を示す例が多い。
引退を考える税理士の思い過ごしで、腹を決めれば、ことは進む。
冒頭の質問への回答は、「問題なし、大丈夫です。引き継ぎは十分できます」
いかがでしょう、ご心配されている先生への答えになったでしょうか?
事業承継支援室長
大滝二三男