この事業をスタートしてから足掛け8年を経過しました。スタートしてから半年間は実績なし。
当然ですよね。国内で税理士事務所の事業承継を継続的にやるのは、初めてのこと。
参考になる事例は一切なし。そんな状況で始めたですが、予想外に順調に事業は展開しました。
今から考えると、ずいぶん無茶な評価やぞんざいな引継ぎ業務のアドバイスをしてきました。
実質この7年間で、実に百件を超える案件のお手伝いをしてきました。
この間、数百件の税理士さんの確定申告書をチェックしました。
これも多分、税務署、地方税務当局、金融機関以外では、私共が一番多いのではないでしょうか。
その中身を見ると、まさに人生模様が如実に反映されています。
具体的には、税理士事務所が”家業”であることの証明が、そこにはあります。
そして、税理士事務所のお客さんである中小零細企業と同じ種類の経営手法が見て取れます。
本日のうれしい報告というのが、実は引継ぎ業務が100%うまくいったという話です。
税理士法人に個人事務所の承継を依頼し、法人の代表者も紆余曲折はあったものの、了解。
法人企業40社強の引継ぎを行っている最中に、承継を依頼して先生が復帰を要望。
つまり、契約をキャンセルして、個人事務所の所長として再び現場に復帰したいという。
承継の対価もすでに支払った上で、税理士法人の支店として経営を見ていた法人代表者も唖然。
ご老人の戯言と言ってしまえばお終いだが、そこには”こころ”の問題がある。
譲り渡した先生は法人支店の社員税理士として登記されているので、いまさら個人は戻すわけにもいかない。
しかし、社員税理士に就任されてからは、今まで以上に事務所運営に力を入れてきた。
契約では5年間、社員税理士として引継ぎなどに力を尽くすと表明していいたので、その通りの展開。
このようなことがあってから、満5年を経過。
譲り渡した先生もこの5年間、毎月事務所に出勤し、元のお客さんとの顔つなぎに尽力。
なんと引き継いだ顧問先が、清算や廃業3件を除いて、一切離れることはなかったという。
そんな報告が譲り渡した先生から、報告された。
いわく、「エヌピーさんには迷惑をかけなかったよ。」
うれしいですね。5年を経過してもお客さんが離れなかったこと。
そして、この5年間で税理士法人も大飛躍。本当にうれしい報告でした。
事業承継支援室長
大滝二三男