個人税理士事務所にとって、法人化は大きな課題のひとつ。
所長が自身の枠を越えて仕事をしようとすれば、法人化は必要条件のひとつ。
事務所を営業力で拡大しても、税理士一人では限界がある。
日頃から税理士は自分一人で良いと公言する人には、限界は見えている。
とは言うものの、やはり、事務所は大きくしたいというのは本能。
そこで、男は独立するからという理由で、女性税理士を雇う。
これは、男は裏切るが、女は裏切らないという゛通説゛を信じてのこと。
はたして本当にそうだろうか、経営力のある女性はやっぱり独立する。
弁護士だけでなく、税理士もその例に漏れない。
その違いは、スポットで仕事をする弁護士の方が、案件毎の真剣勝負。
そこには、男性女性のハードルは、考えるほど高くはない。
もっとも、女性の方が弁護をした方が良い事件もあり、一概には言えない。
しかし、税理士の場合は、日々付き合う男の方が仕事がしやすい。
それも圧倒的に経営者は男が多いから、女性税理士が仕事はしにくい。
所長が男で、勤務税理士が女性の場合は、仕事はスムーズに行われる。
責任者が男性の所長で、あくまでも女性税理士はその補助に限定。
女性税理士もその方が気楽で、業務に全うできるというわけだ。
ところが、今や男性女性の関係なく、組織で仕事をする時代になっている。
税理士に法人制度が出来て、来年で15年、もう男社会ではないはず。
しかし、現実はどうだろう。
女性社員税理士はいても、はたして経営者としての働きはどうだろう?
経営者としての認識より、社員税理士が2人必要だからなっている。
経営責任はあくまでも男の所長で、自分は責任は負いたくない。
無限連帯責任は形だけで、自分に責任は及ばない契約にしている。
こんな状況で、事業承継が行われることがある。
所長は引退するのだが、副所長格の女性税理士には責任者を依頼する。
それがどうだ、女性税理士はそれを拒否し、勤務税理士のままが良いという。
それなら辞めて下さいと言える、承継先はそれほど多くない。
とにかく、責任者は断られても、雇用は続けざるを得ない。
仕事は確かにしっかりやってくれる、でも経営はお断り。
なんとかなりませんかね、と言っても、答えはノー。
お子さんもあるし、家庭を守らなければならないと言われれば、納得。
しかし、法人化が進めば、どうしても彼女逹の力を借りなければならない。
それこそジレンマだが、女性が仕事をしやすい環境を作るのが一番。
いつまでも、残業だけで評価する時代でもないだろう。
かえって残業でしか仕事をこなせない人ほど、評価が低い。
そんな効率化が進んだ環境でこそ、女性税理士が評価されるかもしれない。
そんな時代ももうすぐそこに来ているのでは、そんな思いもある。
いかがなものでしょうね?
事業承継支援室長
大滝二三男