80歳を迎えたある地方都市の先生から、事業承継の相談が来た。
顧問先は減らしてきたが、残った顧問先を譲りたいが問題があるという。
一番の顧問先の社長が、自分でなければ認めない、死ぬまで頼む、
と言って、過去に後継者候補を紹介したが、了承されなかった。
年齢も80を越え、体調にも自信がなくなってきたので、もう限界と判断。
頑固な顧客を納得させられる優秀な先生を紹介してもらいたい、との相談。
事務所のある地方都市には、適格な先生の登録はない。
そこで、税理士法人の支店誘致を提案し、先生は社員税理士就任を提案。
先生は死ぬまで在籍することができると、大賛成。
しかし、問題は支店を任される税理士を、顧問先が認めるかどうかだ。
税理士法人の存在を知らない社長が、東京から来る人を気に入るかどうか?
担当する税理士が気に入らないと文句がでて、契約解除となる可能性もある。
そうなると、先生の事務所の売り上げの30%近くがなくなる。
税理士法人にしてみれば、支店開設のメリットが全くなくなってしまう。
それだけに、この頑固社長が事前に支店開設に理解を示す必要がある。
それも、長期に渡って契約を継続する約束が、必要条件となる。
頑固社長にしてみれば、そんな約束できるわけがない。
そう考えているだけでは、話は前に進まないことになる。
そこで先生との下交渉を始めることで、第一歩を踏み出すことになった。
かなり難しい案件だが、過去の似た案件を参考に対応していくことに。
時期的には確定申告終了と共に動き出すことで、先生も了承。
この案件が無事軟着陸したときに、改めてご報告しましょう。
それにしても、お客さんの意向で、事業承継が遅れることもあるんですね。
事業承継支援室長
大滝二三男