先日、当支援室に2世税理士からの連絡が入りました。
「事業承継ではなく、事務所を紹介してもらえますか?」との質問。
その内容を聞くと、一部のお客さんを引き受けてもらいたいという。
事業縮小のため、貴重なお客さんを譲りたいというのだ。
なぜ、事務所を縮小するのかと訊いてみると、なんと、職員の退職。
それも、事務所内部業務を行う女子職員が、今年3名も退職したという。
全員が一度に辞めたわけではなく、時期はそれぞれ異なっていた。
最初は勤続10年のベテランで、確定申告終了と共に退職。
3月決算業務も多いので、直ちにリクルートをスタートした。
ハローワークを初め、業界専門の派遣会社にも職員募集をかけた。
しかし、一件も返事が来ず、残りの職員だけで、3月決算を乗り越えた。
その5か月後に勤続4年の職員が退職、どうやら都内の事務所に就職。
いよいよ厳しい状況に追い込まれたが、リクルートはさっぱり回答なし。
その1月後に、最後の女性職員が懸命に説得したが、その甲斐もなく、退職。
9月決算法人の処理はなんとかカバーできたが、業務は停滞。
年末から確定申告業務は暗礁に乗り上げることは、確実となった。
今では、事務所卒業生の奥さんまでも出勤し、内部業務と゛格闘゛。
心身共に疲労困憊の先生が出した結論は、事務所の縮小し、業務継続。
退職理由はともかく、退職者の補充ができないことが最大の問題。
先日もある先生に聞いてみたが、女子職員不足は本当に深刻だという。
身近の先生も、リクルートが出来ず、事務所を縮小し、お客も譲ったという。
個人事務所のリクルートは、本当に難しくなっているは事実です。
景気の良いときには、会計事務所に人は来ないと言います。
しかし、今や社会全体で、人材不足。景気のいい企業に人は行ってしまう。
会計事務所の着実な業務には、目を向けなくなっているようです。
今後は、今回の相談が増えてくるだろうと思われます。
職員をしっかり囲い込める体制が作れないと、廃業もあり得ます。
税理士事務所経営には、本当に厳しい時代になっていくのでしょうか?
事業承継支援室長
大滝二三男