サラリーマンは自分で辞めるというより、定年で辞めさせられる。
定年前に辞めて、割り増し退職金をもらう事もあるが、これはマレ。
大企業などで事業規模を縮小する際、希望退職者を募る条件のひとつ。
最近はこの種のニュースで言えば、台湾企業に買収されたシャープかも。
税理士業界では、この手の話は聞いたことがない。
所長が事務所を閉鎖する時でも、退職金の割り増しといった話も聞かない。
そもそも、退職金制度を用意していない事務所も多い。
退職金を出したくても、積立てをしていない先生も少なくない。
そんな先生が、事業承継を考えるとき、やはり家族の話を聞く。
というより、最終判断を下す際、背中をしてもらう機会かもしれない。
孫たちも夏休みになり、子達も親の実家に戻ってくるこのシーズン。
日頃から奥さんには、事務所を閉め決意を語り、子供たちにも同意を求める。
そこで、サラリーマンの子供たちは、職員の事なども訊ねることになる。
当然、そこで退職金の話も出るであろうし、渡す相手の事も話題に。
この時点で、承継する事務所の具体的な名前が出ることは、少ない。
しっかりした事務所であれば、子達は賛成するし、辞めるなは言わない。
ただし、仕事を辞めてしまったら、ボケないかといった不安が残る。
先生にしてみれば、ボケないうちに仕事を辞めるという選択をする。
どちらが先かという話ではなく、専門家としての責任感だろう。
日頃から的確な判断を下す業務だけに、ボケることには我慢がならない。
こんな考え方の先生であれば、子達も当然辞めることに同意するだろう。
沿うと決まれば、先生の動きも早くなる。
そう、旧盆開けには、毎年相談が飛び込んでくる事になります。
お子さんたちの思いも考えながら、仲介業務に全力を傾けます。
事業承継支援室長
大滝二三男