国税局では、研修会を開き、チェックポイントを公開しています。
それによりますと、会計法人が顧問先と契約した、税務を委託するケース。
税理士が死亡し、遺族が会計法人を設立し、税理士に税務を見てもらう。
当然、税理士は、会計法人が税務関連業務を行わないことを確認する。
具体的には、会計法人が決算まで行って、後は税理士に委せることになる。
しかし、決算まで行って、税務に関する相談もタッチしないのか。
顧問先と会計法人の関係で、税務を扱わない法人との契約を継続するのか?
同時に、税務申告書を税理士が作製しても、その報告は法人が実施する。
そこで税金の話が出ないわけがない。
さらに、法人の担当者に代わって、全ての顧客に税理士が説明するのか?
これもどう考えても、できないし、やらないでしょう。
こうなると、法人は偽税理士行為、税理士は名義貸しとなり、処分対象に。
また、税理士が代表となっている会計法人でも、契約が法人主体であれば?
このケースでは、法人が契約した顧問先の税務を税理士に委託する。
代表が税理士で、その指導の下で法人職員が業務を行っているという。
しかし、代表が税理士であっても、法人と税理士は別人格。
このケースでも、法人の職員が税務を扱うこととなり、これもアウト。
法人職員が税理士事務所と兼務職員となり、双方か給与を受けること。
さらに、法人と税理士がそれぞれ顧問契約をする必要がある。
つまり、税務を除く業務は法人が行い、税務は税理士事務所が担当。
それを顧問先も、記帳代行料は法人に、税務関連報酬は税理士に払う。
これ以外のケースで、法人と税理士事務所が税理士法に違反する芽がある。
実際に、法人が顧問料を請求し、税務報酬を受けている税理士が注意された。
初めての調査ということで、両者で契約するようにとの指導で済んだ。
しかし、その調査の際に処分をちらつかされて参ったという。
もちろん、先生は税理士監理官の指導通り、顧問契約を両者で行った。
ひょっとすると、冒頭の形で契約していた場合、処分が確実でしょう。
事業承継で、冒頭と同様の法人を解散させ、税理士事務所に引き継いだ例も。
苦労して経営してきた事務所を取り上げられるないようにしたいですね。
事業承継支援室長
大滝二三男