事業承継で高いハードルになるのが、世間一般より高い給与。
と言っても、大企業に比べ物にならないのが、税理士事務所のサラリー。
昔は税理士試験の勉強の時間を与えるため、残業なども制限。
さらに、徒弟制度さながらに、勉強時間を確保していると、低賃金が相場。
その安月給から脱出するために、試験勉強に必死になっていた。
今はどうかと言えば、試験勉強を理由に給料を低く抑えることはない。
仕事が終わらなければ、当然残業してでも、必死に格闘する。
残業代がでないときには、仕事を家まで持ち帰り、翌日はスッキリ出社。
それでもやはり、中小企業並みの給与水準で、決して高くない。
また、地方都市の通勤は、ほとんどが自家用車を利用するのが普通です。
その車を通勤用だけではなく、業務にも使っているケースも多い。
もちろん、公私を区別するために、事務所の車を用意する所長もいる。
しかし、馴れた自分の車を仕事にも使い、費用の一部を事務所が負担。
その内容も、業務に使用した距離数に応じて、ガソリン代を払う。
さらに、車検代の一部や傷害保険の一部を負担するケースもある。
家から事務所までの通勤にかかるガソリン代は、もちろん通勤費の範疇。
無税の範囲で通勤費を払い、業務での使用はガソリン代のみのところも多い。
それも車によってガソリン消費量は変わるので、一律方式で払うことも。
当然、ガソリンを食う車に乗っている職員は、時には自己負担が増える。
厳密に一月の消費量を計算し、毎月それに応じた精算するのが普通。
お客さんの事務所に行く機会が増えれば、当然消費量も増える。
日報の中で走行距離を記し、給料日には精算をする。
東京都内などでは考えられないことだが、地方都市では、これが現実。
中には、賠償責任保険料も案分計算して、支払っているケースもある。
さて、これらの手当てが厚いほど、事業承継者にはハードルが高くなる。
ガソリン代の補助だけで十分と考えるのかどうか、職員には気になるところ。
新しい経営者がシブチン(?)だと、職員には不満が残るが、さて?
実のところ、本当に経営者は十人十色で、購入費まで補助する人もいるのだ。
事業承継支援室長
大滝二三男