その本は、石井光太の「蛍の森」(新潮社文庫)です。
彼は、日本大学芸術学部文芸学科卒のノンフィクションライター。
これまで、世界各地の貧困層の人々を精力的に取材。
また、東北大震災を題材にした、ルポ『遺体-震災、津波の果てに』は、
被災した人々や遺体への心優しい人々の姿をありのままに描いた。
今回、彼が初めて物したハンセン病罹患者を題材にしたフィクション。
四国のある山村を舞台に、ハンセン病罹患者のお遍路さんの姿を浮き彫りに。
60年前のハンセン病罹患者に対する社会の偏見と差別を舞台回しに、
60年後に生じた殺人事件を解明していく筋立ても圧巻。
作品を詳細に記述するつもりはないが、ミステリーファンも魅了する内容。
最終章では、涙が流れる、ほっとする心暖まるエンディング。
そう、この休み、5時間ほどで読了。
ノンフィクションライターの素晴らしいフィクションでした。
事業承継に無関係ですが、人間の心理を知るためにはいい勉強でした。
事業承継支援室長
大滝二三男