30年以上、細々と続けてきた会計事務所経営、
突然襲った不治の病、数年前から歩くのも辛い、
若者に事務所を引き継ぎたいと思うに至った今日この頃。
同業者の子弟を選んで、共に仕事をしてみた。
しかし、自分の事務所を自分の好きな場所でやりたいと言う。
先生にしてみれば、自分の事務所使って欲しい。
お客をただで引き継がせるのだから、事務所を使うのは当然だと考える。
一方、若者は「引き継いであげる」のだから、自分の事務所でやる。
引き継ぎも1年間はかけて、じっくりやりたい所長。
すぐにも独立したい若者との関係も、一月も経たないうちに破談。
その後、数人の若者と面談したが、「これは!」という若者には会えず。
時間がないという先生だが、安易な妥協はしたくない。
自分の一生をかけて取り組んだ事務所経営を、安売りしたくない。
お客さんも自分がいるからこそ、長い間付き合ってくれている。
自分がいなくなれば、離れていくに違いないとも考える。
若者はそうは考えない、
若い自分がと契約してもらえれば、長期間サービスを提供できる。
お客の事業承継後にも、改めて長区付き会えるとも考える。
こうなると、先生から事業を譲り受けるのは不可能。
そう、後継者を育てることが可能な事業規模を作れなかった先生。
というより、元気なうちは後継者のことなど、実は考えもしなかった。
いざ、事務所を引き継ごうとしたときに、エゴを通すのは高いハードルに。
若者にはそれほど度量に広いひとはいないし、老先生も同様。
果たして、先生が後継者を育てることができるのだろうか?
まだ後継者が決まらない先生の焦りも、日を追って積ってくる。
大きな事務所より、小規模の先生の方が、後継者対策は厳しいのか。
事業承継支援室長
大滝二三男