昨日は引き継ぎが重要と書きました。
顧問先の信頼を傷つけることがないように、気遣いをする。
そうすることで、お客が離れないというわけです。
でも、それ以前に気をつけなければならないのが、職員の気持ち。
所長が勝手に決めたのだから、自分達は従わない。
そんなことを主張し、事業承継を破綻させたケースがあります。
2件ほどは同じようなものでした。
つまり、自分達の意見を聞かなかったので、気にくわないというわけ。
そのうちの一件では、事前に先生が説明し、仲介担当者も面談。
その結果、職員全員が事業承継に理解を示し、契約にこぎ着けた。
契約後、一度は賛成した職員たちが、契約にいちゃもんを吐けた。
先生が元気であれば、そんな意見にも毅然と対応します。
しかし、契約後に反対された老先生は、ついにギブアップ。
このケースでは職員の気持ちも考え、事前に話をして失敗。
この事前に職員に話をするケースでは、ほとんどの職員が好意的に対応。
先般まとまった事例でも、事業承継の相手も事前に公表。
それを聞いた職員たちは、ネットで相手を確かめたという。
こちらの先生も超高齢だったが、職員たちの勤務歴も長い。
家族的な雰囲気が流れる事務所だったが、法人との統合にも大賛成。
事務所が閉鎖されれば、中高年の職員は働き場所を失う。
こちらは法人との統合で、職員たちも先生の健康なども心配する必要がない。
これに対して、前者は「死ぬまでお願いします」と、まさに勝手な職員たち。
事業承継を考えるとき、反対を訴える職員には丁寧に説明する。
ここで、先生は遠慮をする必要はない。
はっきりと事務所の将来を考えていることを、口にすべきでしょう。
資格ビジネスである限り、職員の主張には限界がある。
そこは、両者が十分配慮しなければならないだろう。
「なんとしても反対」なんて言っていたら、事務所はなくなってしまう。
無くなってから、反省しても後戻りはできません。
職員対策は十分に!
事業承継支援室長
大滝二三男