実のところ、弊社に相談が来るときには、ほとんどの税理士さんがすでに相談済み。
相談の相手は、もちろん同業者ではありません。そう、出入りの業者です。
毎月営業に歩いている、システムのベンダーがその筆頭でしょう。
顧客を他のベンダーに取られないためにも、営業マンは情報収集に余念がありません。
事務所の経営内容も一部分かりますから、先生の腹が決まれば相手探しも楽でしょう。
しかし、具体的にお金の話になると、なかなか核心に触れず、尻切れトンボに。
そこで、専門の業者に委託する形で相談を受け付けているベンダーもあります。
なかには、親しかったベンダーOBが相談を受け、実際に承継を実現した例もあります。
これは、現役のベンダー内で噂になることがありませんから、気軽に相談できます。
しかし、悪い話も10年ほど前に起こっています。
ベンダーOBが、承継話を語り、国税OB税理士から1000万円超を搾取した事例もあります。
この事例が下で、弊社も支援室を作り、大切な財産・事務所を守ることとしたわけです。
話を元に戻します。
よく聞く話では、生命保険のセールスマンに良い相手はいないかと尋ねるそうです。
生命保険の買い手を紹介し、日ごろから親しくしている営業マンなら、話も楽。
しかし、事業承継ができる先生を探す段になると、早々情報はありません。
もちろん、タイミング良く、相手になる先生の要望もわかり、仲介役になることも。
確かに、弊社のセミナーにも必ず生保の営業マンが参加しますから、話はありそうです。
でも、商売で仲介役を引き受けるわけではないので、面倒臭いと途中でやめることもあるという。
具体的な手法などはよくわからないところから、相談者も途中から弊社にくることもあります。
この10年間で、ベンダーや生保の営業マンに話をしたという先生はかなりの数になります。
しかも、ほとんどの先生がベンダーにそれとなく話をしたよ、と言います。
同じシステムを採用している事務所に承継してもらうのは、もちろんオーケー。
だが、自分の経営実態などを知られたくないので、同じ地区の税理士は敬遠したいという。
しかし、ベンダーサイドでは担当のお客が減ることは減点に繋がるので、同じ地区を考える。
結果、ベンダーとの相談をそれとなく打ち切り、弊社支援室に相談となる。
弊社でももちろん、システムを変えないよう、同じシステムを持っている事務所を紹介。
それも、税理士法人に承継することで、支店設立も可能になり、職員の雇用も確保。
ベンダーにも迷惑をかけず、先生のご要望を実現できるわけで、願ったりかなったり。
かなり手前味噌になってしまったが、最近は特にシステムの維持を念頭に仲介をしています。
そうすることによって、職員の負担も少なくて済み、引継ぎが上手くいくからです。
事業承継支援室長
大滝二三男