税理士生活数十年、その年齢も70代から80代。
所長が80歳超だと、職員も60代後半なる。
そこに事業承継が起こると、ある問題が生じる。
事務所の引き受け手は、当然所長より年下。
さらに、ベテラン職員も相手よりも年上。
そう、若い新所長の下で、ベテランが働く。
新所長も、自分よりはるかに年上を指導・監督。
年下の職員と同様に、ベテランを使いきれるか?
それ以上に、職員の士気は上げられるのか?
不満を感じる職員が、承継そのものに反対する。
これまでの慣れた環境が変わるのは、嫌だ。
だからと言って、簡単に仕事は辞められない。
待遇は現状維持との約束も、不信感は残る。
所長も彼らの同意がなければ、交渉はアウト。
こうなると、誰のための事務所経営なのか?
そう、職員の反対で仕事を辞められない、高齢のお人好しの所長には何人も会っています。
「先生、私たちも頑張りますから、死ぬまで続けてください」、職員が言うので、承継を断念。
実際に、過去12年間で、こんな事例を3件経験していますし、今も問題解決に奮闘中です。
職員の雇用を守る努力をしていますが、承継の反対勢力には、所長の力に頼るしかありません。
所長が経営から手を引いたら、職員だけでは事務所運営はできない。
それでも反対を貫くのは、自己保身だけのエゴとしか見えません。
はて、今後はどうなるのでしょうか、時間が解決してくれるのでしょうか?
解決のためには、冷静な判断が、期待されるところだ。
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男