ハワイでの研修でわかったこと、それは米国の海外資産のチェック。
日本では、5000万円以上の海外資産を保有する人は申告が義務化。
これも米国の制度に倣った感があるが、まだまだゆるい。
米国は海外で1万ドル、120万円余の所得及び相続があれば、申告。
それもすべての海外資産の状況を申告する義務がある。
米国国民の所得税等の申告は、世界中どこに住んでいても行うことになっている。
軍人のように海外の駐屯地に赴任中でも、そこで申告することになる。
当然、彼らも海外資産の情報を申告することになる。
もっとも軍隊では、資産をもって海外に赴任する人はいないはず。
この海外資産を監視する専門の部署がIRS(内国歳入庁、国税庁の機能もある)に設置。
該当者は、所得税の確定申告の延長期限である6月15日までに申告が必要。
延長は認められず、申告を怠ると、なんと罰金は1万ドル。これは厳しい。
同時に、海外に銀行預金口座を持っている人も申告する必要がある。
義務付けられている預金高は定かではないが、海外にいる米国人は当然現地に預金を持つ。
この申告をを無視すると、罰金はやはり1万ドル。
公認会計士や弁護士などの資格を持つ者が無申告でいると、資格のはく奪まで行われる。
銀行の利子の支払調書も2013年から、IRSに提出することが義務付けられた。
利子や配当は日本のように分離課税ではなく、総合課税なので、IRSにとっては把握しやすくなった。
それまでは納税者が確定申告で申告して初めて、利子等を把握するのが精いっぱい。
これもタックスヘブンに対する課税の強化とともに実施されたもので、IRSには強力な援軍。
併せて生まれたら直ちに付与される社会保障番号で、国民をチェックできる体制がある。
社会保障番号が取れない人は納税者番号を活用して、様々な公的サービスを受けることになる。
移民の国だけに様々な問題を抱えた米国だが、やはり資産に関するするチェックは厳しい。
国民に義務付けられた納税を怠ることは、米国民として失格。その烙印は誰も欲しないハズ。
事業承継支援室長
大滝二三男