確かに、地方都市で開業する税理士は少ない。
自分の生まれ育った土地でも、開業できるかどうか、分からない。
しかし、「じっと我慢をしていれば、自然とお客は増える」という人も。
県庁所在地でも、税理士の平均年齢は高く、就業適例年齢はオーバー。
廃業する税理士に出会う機会は、大都会に比べ、かなり多い。
従って、税理士会や税理士が集まる機会には積極的に参加する。
顔を売ることが必要で、そこで良い評判が出れば、引き継ぐの声もかかる。
実際に開業1年で300万円しか収入がなかった税理士が、今では2000万円。
当初は自宅を事務所にしていたが、開業3年目の今は、オフィスビルに移転。
職員2名を抱え、順調に延びているが、その極意は廃業税理士との出会い。
この2年で、2人の税理士から顧客を引き継いだという。
いわく、広告宣伝など必要なく、高齢の税理士と知り合う機会を増やすこと。
そこで自らの考えなどをわかってもらい、じっと待つのみだという。
確かに、先輩税理士から事業承継する例は、大都会でも多い。
しかし、競争は激しく、そう簡単に引き継げるわけではない。
大都会ではお金も相当かかるが、地方都市ではそれほど必要ないという。
結果、承継するために資金を借り入れることもなく、心理的にも楽。
人付き合いがうまい人は、これに尽きるようだ。
同時に地方都市の中でも、中心部ではなく、なるべく田舎が良い。
中心部は大都会ほどではないが、事務所間の競争は厳しい。
税理士が少ない田舎で、じっくり構えている方がいい、それが極意か。
事業承継支援室長
大滝二三男