昔から、税理士業界では、女性は信じ、男は裏切ると言われている。
だから、女性職員しかいない事務所が、他の業種に比べて多い。
事実、6年前に事業承継を果たした事務所は、先生以外は全員女性。
しかも、高齢の先生が相手にする顧客は1件のみ、その他は職員が対応。
事業承継後も女性陣が顧客回りを担当し、引き受け手は管理が主体。
担当者が承継後も代わらなかったので、顧客は1件も落ちなかった。
現在もこの事務所は女性陣で運営され、高業績を続けているという。
このように、女性職員の変化に対する対応力は、この事例が証明。
その一方で、承継時に事務所を辞めるのは、ほとんど男性。
しかも、職歴10数年、担当する顧客も20件余りという人が辞めていく。
この時に担当していた顧客は、辞職の数日後には契約解除の要請が来る。
明らかに辞めた職員が゛指導゛したと思われるが、これは推測でしかない。
顧客に「辞めた職員に誘われましたか?」とは聞くわけにいかない。
そういう申し出があると、「解除できません」と言えず、受け入れるしかない。
辞めた職員を問い詰めようとしても、相手は電話にも出てこない。
連絡がついても、答えは当然、「そんなことはありません!」。
そのうち、退職後に他の税理士事務所に移ったことが判明する。
お客さんがその事務所と契約したかどうかは、調べようがない。
こうなると泣き寝入りだが、辞めた職員は顧客を連れての再就職。
再就職先の事務所は、担当者とともに新規顧客を獲得できたことになる。
ここで、なぜ承継時に退職の道を選んだのか、ある推測を紹介する。
信頼していた所長が、職員の意見も聞かずに承継するのが許せない。
といったような義憤から担当先を伴って、他の事務所に移ったのだろうか。
そこで出てきた推測が、癒着がバレるから、それを隠すために退職する。
承継後に゛悪事゛が露見すれば、首切りになり、路頭に迷うことになる。
つまり、日々の業務をこなしている時に、すでに裏切りが行われていた。
担当が長くなると、ズルズルと顧客の甘い誘いを断りきれない。
そんなことをする職員は極々少数だろうが、承継はまさかの事態。
自らの生活を守るためには、退職と顧問先の゛持ち逃げ゛は必須条件か。
表題の男か、女かは、一概に言えないが、可能性は、やっぱり男。
外回りを担当するのは、男性が圧倒的に多いから、裏切りは、、
このようなあまり良い内容ではないが、目に余ることもあるので敢えて、、
事業承継支援室長
大滝二三男