今年に入り、案件処理時間が昨年より余計にかかるようになりました。
何故だろうかと考えてみますが、交渉期間がそもそも長くなったこと。
承継の原因もその一つかもしれません。
引き渡す先生が健康で、経営統合することで合意したときは、短期間。
新しい組織で、お客さんにも安心してもらえるで、早目に結論が出ます。
この4月にご相談があって、6月には経営統合したのもこのケース。
また、病と戦い、自らお客さんを減らしてきた先生も決断は早い。
お客さんに迷惑をかけたくないと、考えた結果。
併せて、ご家族からの進言も重要な要素。
仕事を続け、ストレスが溜まれば、命を縮める。
子供たちも家庭を持つようになったのだから、早く辞めて欲しいと訴える。
ストレスからも解放され、のんびりと老後を楽しもうと妻の配慮。
これまた、5月に契約したケースで、交渉期間は1ヶ月、最短だ。
その一方で、交渉期間が長引くのは、所長の腹が決まらないケース。
承継に関する条件等を訊くものの、それに対する回答が出ない。
中にはそのまま回答がなく、塩漬けになってしまった例もある。
狐につままれたような話だが、現実にある。
一昨年に80歳を超える税理士のご夫婦と面談。
承継案を提案することで話が終わり、翌日には直ちに提案書を送る。
1週間経ってもなんの連絡もなし。
そこで、電話をするものの、「検討中!」との返事だけ。
その後は一切、連絡なし。ところが、今年の春になって、連絡が来た。
「もう歳だから、早く決めたい」と言われるので、改めて承継案を提案。
ところが、夏が過ぎ、秋になっても連絡なし。
これはレアケースだが、こんな例も案件処理を長引かせる要因か。
さらに、条件面でのやり取りが頻繁に行われるようになったのが、一番か。
経営統合後の職員の処遇や、業務処理の手法の違いなども大きな問題。
数年前までは、単純に経営者同士の合意で、契約までの進んでいた。
しかし、最近は職員の意見を聞く所長が、増えてきたのも事実。
職員対策に時間がかかるようになったのが、交渉の長期化の元か。
引き受ける側も職員が、気持ち良く働いてもらいたい。
そのためにも、職員の意思も確認したいところ。その時間もかかる。
といった事情があり、交渉期間が長引いているわけだ。
事業承継支援室長
大滝二三男