税理士事務所の人手不足は、本当に深刻な状態です。
若者が大学進学と共に地方年を離れ、卒業後も戻ってきません。
女性も進学率が上がり、こちらも地元を離れ、卒業後は大都市で就職。
出身地には就職先もなく、余ほどのことがない限り、戻ってきません。
地方年の就職先と言えば、県庁や市役所、そして金融機関がメイン。
これらに就職するのが、家を守らなければならない長男や長女。
地方銀行で働く職員に兄弟を訊くと、ほとんどが長男。
役所も同じで、言わば長男銀行に、長男市役所といった具合。
そして、長男のところには嫁にやれないと、婚期も遅れぎみ。
農業兼業も多く、それだけに嫁の来てのない独身者がゾロゾロ。
そんな地方都市でも税理士事務所はもちろんあります。
しかし、多くの事務所経営者はかなりの高齢者。それも国税OBが主力。
若手の試験組税理士が開業するケースは少ない。
というより、長男税理士でも開業してもお客さんがいない状況。
その結果、若い税理士は大都会に止まり、勤務税理士になる。
試験に挑戦する若者も予備校に行きやすい大都市に。
仕事をしながら勉強もできる環境は地方としには整っていない。
まさに、若者は大都市を目指し、そのまま住み続けてしまう。
地方都市には中高年者だけが残り、商圏も徐々に小さくなっていく。
そう、地方都市の住民は減るばかり。
税理士事務所には人が来ないのではなく、そもそも人がいないのだ。
こうなると、地方都市の個人事務所は職員は全員高齢者ばかりとなる。
全員が年金をもらいながら、残業のない仕事を続ける事務所となる?
こうなると、チェーン店化する税理士法人が大都会で若者をリクルート。
彼らを地方都市の支店い配属する等の対策が必要になるかもしれない。
転勤のない税理士事務所のイメージから脱皮できるのだろうか?
数年後には、前述の通り゛年金受給者事務所゛が大半をしめるかも。
とにかく、人がいないのが大問題なのです。
事業承継支援室長
大滝二三男