税務職員として、サラリーマン生活をスタートした若者も多いハズ。
当初は研修の日々を過ごすが、将来は税務署長になるのが目標のひとつ。
一般企業の職責で言えば、大企業の支店長 と同じくらいの出世。
数多くの同期生で、誰もが到達できる地位ではない。
それだけに税務職員のなかでも最高級の給与を手にできるのは、ほんの一部。
そのポストが、税務署のランクで、特1の税務署長。
その上にも国税局長などのポストもあるが、行き着くのは年に1、2人。
誰もが狙ってなれるポストではないことは、税務職員は誰もが知っている。
このポストを経験した人は、引退後の仕事に困ることはない。
しかし、普通の税務署長で退官した人に、安泰の地位は約束されていない。
5年ほど前に引退して税務署長には、税理士登録と同時にお客も付いてきた。
後輩の税務署の副署長や総務課長が、優良法人などに税理士を紹介。
紹介するのは、実は退官後に税理士登録する署長。その数、5~10法人。
退官後の生活は、税理士として顧問料収入で、安泰そのもの。
しかし、今は昔。ほぼ5年前から、この形は崩れ去った。
それと同時にスタートしたのが、定年後の再任用制度。
給与は現役当時の6~7割、年収500万円程度で、仕事は続けられる。
といっても、特別職の税務署長経験者が、実は平職員になるわけ。
それまで命令をされていた署長が、自分の部下になる。
それも税務職員として最高級のポストについた人を部下にする。
一般企業では、功なり名を挙げた社員が、平職員として働くことは?
これも実は、退官後に税理士として顧問先を紹介できなくなった副産物。
後輩のためにポストを空ける、その見返りとして、顧問先をもらう。
受け入れる側の一般企業が、受け入れる余裕がなくなったのも事実です。
そんな事情もあり、最高級の税務署長を経験した人も、再任用。
税理士として顧問先を営業しできない人には、良い制度ですね!
事業承継支援室長
大滝二三男