現代人にとって、鬱(うつ)はどこにでもある病のようです。
自分でも分からないうちに鬱状態になっていることが、ほとんど。
なんとなくお客さんと会いたくない、自分では行かずに職員任せ。
そこでうまく回っていくと、ますますこもりがちになることも。
また逆にお客さんとの交流は積極的だが、必ずそこで一言多くなっている。
何故だろうかと調べてみると、常に上から目線では、経営に関しても独断的な批判。
若い経営者は素直に先生の話を訊こうとするが、時代感覚に違和感を感じる。
そのうえ、先生は若い経営者の話は聞かずに、一方通行の経営指導に終始。
実際には、この先生は鬱で病院通いをしていたのだが、お客さんには話ができません。
鬱状態がひどくなると、自分の感情を抑えることができなくなり、言葉使いも悪くなっていた。
その結果、「先生、親父の代だったから任せていたが、自分は契約しませんよ」
こんな断りを受けた先生もいます。
もちろん、事業承継のお手伝いをする時に、この状況を的確に把握することはできません。
話し合いを進めていく段階で、「こりゃぁ、おかしいぞ」と思えることもあります。
しかし、ご本人が承継をするという段階になっていますので、いち早く開放するのが重要。
ご自身が一番わかっているので、的確な相手を探し、無事承継を終えるようにします。
税理士稼業は対人の仕事ですから、鬱は大敵ですが、不治の病ではありません。
病とうまく付き合って無事仕事が終了すれば、問題はないでしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男