税理士業界では、小規模事務所がますます小さくなってきています。
先日も職員3名の事務所が、平均年齢70歳を直前にして閉鎖されました。
実に50年近くの歴史を閉じたのですが、それも若い職員が取れないため。
なぜ若い職員を採用できないかと言えば、顧問先に魅力的な企業がなく、仕事のし甲斐がないという背景。
高齢の職員の中で、若者が独り頑張っても浮き上がるばかり。
さらに、お客様とのコミニュケーションも取れず。
それもそのはず、お客様と言えば祖父や祖母の年代の方ばかりで、話は一切合わず。
その仲介役になるべき”先輩方”もお客さんと同じ世代ときては、”やってられません”。
先生もさらにその上ときていますから、面接段階で、「”辞退”します」と早々に引き上げる始末。
こうなると、”後期高齢者”の仲間入りした先生とその職員たちもお手上げで、閉鎖を決めたわけ。
もちろん、お客さんが減って行かないのであれば、承継先も見つかるというところだが、いかんせん希望なし。
昔は元気のよかった商店街の”社長さん”たちも時代の流れで閉店や休眠状態の追いやられる始末。
それでも、製造業で頑張っている零細企業もあったが、「先生が辞めるのであれば、わたしも、、」と同調。
こんな例ばかりでなく、営業力を失ってきている所長さんの事務所も現状維持が精一杯。
新しいお客となると、ITなどに関連した企業の経営者で、その主張にはついていけないし、付き合えない。
社長のしてのお悩みも高齢の先生に解決してもらおうとは考えないから、その関係は疎遠になる一方。
そのうち、インターネットなどで宣伝をしている、安い料金の会計事務所に移ってしまいます。
同じように低廉な価格で競争するだけの元気はないから、当然お客は減るばかり。
値下げ要求に応えるのもしんどくなり、「徐々にお客を減らしていこう」と自ら”枯れる”体制に。
だが、こんな形でもうそろそろ引退しようという事務所からの、承継者紹介を求める連絡も増えている。
でも、今日昨日に事務所を開いた若手所長に紹介するには、やはり信用問題が邪魔をする。
さらに、お相手の企業経営者も同様にお年を召しているから、若手税理士でやって行けるのか、大いに疑問。
その結果か、自ら事務所の規模を縮小してきた先生方は、人知れず事務所を閉鎖することも多くなっている。
生涯現役ができる税理士業務だが、今やその生涯現役も許されない状況になっているようだ。
事業承継支援室長
大滝二三男
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