あの日、ちょうど駅に着いた途端、大揺れ。
どーんときたかと思うと、激しい揺れに思わず、駅の柱にしがみついた。
幸い無事帰宅をできたのだが、それからはテレビにかじりついた。
現地からの様々画像を見ながら、声が出ない。激しい津波に唖然とするばかり。
ちょうど家を新築中だったので、仮住まいから建築現場に。
屋根があがったばかりだったので、つぶれてはいないか非常に不安になっていた。
現場に着くと、屋根と柱ばかりの家は無事。ホッとすると同時に、大工の棟梁に声をかけた。
「いやぁ、怖かった!思わず下に降りてしまいました」と、2階で仕事中のことだったという。
壊れることも考えたほどだったという。しかし、怪我人もなく、建築中の家も無事で一安心。
そう、この日を迎えると、いつもその時のことが思い出すのだが、
それ以上に津波に追われる自動車の画像が、今でも出てくる。
ヘリコプターから撮影されたそのテレビ画像は、津波が車などを飲み込むところは避けていたようだ。
というより、撮影していたのだろうが、テレビでは一切放送されなかった。
これは放送局の判断であろうが、津波の恐ろしさを知るためにも、機会があればと思っている。
そして、事業承継の仲介を仕事としているので、地方の税理さんとも良くお会いをする。
震災前年の秋、弊社が東京で事業承継セミナーを開催し、仙台から一人の税理士さんが参加された。
大人しい、優しそうな先生で、将来的に事業承継を考えたいと、セミナー後に話されていた。
4年前の震災直後に、セミナーに参加された先生が死亡されたとの情報が流れた。
東北税理士会の会員として、あの災禍に遭遇し、死亡されてのは、その先生だった。
この日を迎えるたびに、ウソであってほしいと考えるのだが。
事業承継支援室長
大滝二三男