金融機関は言うに及ばず、生保や不動産、金融商品販売会社、大チャンスとばかりに営業大作戦!
我が家の郵便受けにも、毎日のようにDMそしてチラシが投げ入れられている。
郵便物では取引銀行からのパンフレットには、相続贈与による節税策がいっぱい。
孫への教育資金の信託から、連年贈与による相続税減額のシミュレーションなどなど。
相続税など自分には関係ないと思っている老人たちも、実際にこの大騒動に巻き込まれている。
信託銀行などには、書類を抱えた老人たちが列を作り、中にはあまりの待ち時間に切れる老人も。
そんな老人たちの気分を害さないように、銀行のコンセルジュたちも懸命な対応。
誰もが来年一月からの相続税大増税に、大変だ、大変だとアッピールしているわけだが。
税理士業界も同様の構え。
カードローンの還付ビジネスを展開する弁護士・司法書士には及ばないが、テレビCMを行う事務所も。
地方都市では、広告料が安いこともあって、テレビや、ラジオを使ったPRがめっきり増えている。
毎月のルーティンワークではない、この相続ビジネスは、顧問料収入より高額の報酬が得られる。
それだけに相続を扱わなかった事務所までも、このビジネスチャンスを生かそうと躍起。
自分の事務所で手に負えない案件は、相続に強い事務所に処理を依頼。
報酬は紹介料程度から、依頼先からもらえる報酬を折半したりすることもある。
相続案件で申告後に判明した間違いなどによって、高額の損害賠償を請求される例もある。
こんなことを避けるためにも、相続専門の事務所への依頼もこのところ急増中。
なかには前年より100%も案件が増えているという、相続専門事務所もあるほどだ。
相続に手を出していなかった先生も、お客さんから依頼されたらどうします。
相続専門の事務所に依頼しますか、それとも自分でやりますか?
後々、損害賠償などを起こされないように十分ご注意を!
税理士として晩年を迎えつつあるとご自身で悟っていられる先生には、やっぱり相続はナシですね。
事業承継支援室長
大滝二三男