独身の男女が増え続けている。税理士業界も同じ状態。
それでも、同じ職場で、切磋琢磨しているうちに、”戦友”として結ばれることも。
親にしてみれば、仕事を継いでもらうためにもと、都会に送り出したという思惑があった。
しかし、大学を卒業し、税理士試験に合格するには、予備校が近くになる都会が最適。
それも、会社勤めを終えてから、夜の講座を受けるには、地方都市では無理。
そんなわけで、試験勉強をしながらの、都会生活の慣れ切ってしまう若者たち。
会計事務所(法人)に勤務し、ともに励まし、試験に挑戦する男女がごく自然に心が通じ合う。
めでたく試験に合格、そして事務所内でも主要な地位を確立し、生活のめども立つ。
若者たちは同棲生活から、双方の両親に報告し、結婚。その後、税理士として独立。
都会の大規模な事務所で勤務していた税理士にとって、親の住む地方都市には夢がない。
親の仕事をとやかく言うつもりもないが、同じ業種でも、地方には魅力を感じないという。
地方都市の衰退ぶりを目にすると、一極集中する大都会から離れらなくなってしまう。
また、結婚した相手の実家が大都会にあれば、なおさらのこと。
まずは地方都市には帰らないし、独立して事務所を持ったら、まず帰れない。
先だっても、地方都市では大規模な事務所を経営する税理士さんからも、そう聞いた。
息子に譲ろうと80歳を超える歳まで頑張ってきたが、いつまで待っても帰ってこない。
もうそろそろ限界なので、どなたかに事務所を譲ろうかと思っているというわけだ。
その奥さんからも、嫁を貰ったら、帰ってこないですよね。男は女に付いて行ってしまうから。
確かに、そのうち子供(孫)が生まれれば、帰るなって、口が腐っても言えません。
経営環境がますます厳しくなる税理士業界だが、果たして地方都市ではどうなるのだろう。
若い税理士はほとんどいない、そんな地方の税理士会がますます増えて散るのが現実だが。
事業承継支援室長
大滝二三男