この職員なら事務所を任せてもいい。将来的に事業を承継させよう。
こんな思いをしている税理士さんは、本当に多い。
毎年のように試験を受けるのだが、12月の結果は、今年も駄目の連続。
今月初めの税理士試験の終了とともに、職員の移動が毎年恒例のように始まった。
40歳を境に、税理士試験への挑戦を諦める人も少なくない。
他の業界に職を求める人もあれば、新たな会計事務所に行く人もいる。
試験に合格しなくても、実務ができ、顧問先からの信用があれば、職員として合格。
しかし、資格あっての税理士事務所勤務という高いハードルが、その気持ちを阻む。
もう事務所に面倒見てもらうのは辞めよう。新境地を開くのが一番だ、と考えるのか?
確かに資格があるなしで、給料が異なるのは普通。
さらに資格があるというだけで、何か偉くなったように振る舞う人も少なくない。
苦労して資格をとれたのだから当然だともいうのか、すぐに給料を上げろと要求する人も。
経営者としてみれば、試験のために残業も少なく、試験休暇も与えたという思いもある。
そんな人物に限って、”お礼奉公”もせずに、待遇が変わらないのなら辞めますとくる。
そんな資格者より、実務に精通し、顧問先に信頼されている職員の方が重要。
税理士事務所も今は、昔ほど安月給の職種ではなくなりつつあるのも事実。
中には資格はないが、相続税のプロとして、所長に次ぐ高給取りがいる事務所も出てきた。
相続税大増税時代に即した業務を責任をもってできる人材こそ、資格者より優遇される。
そう、相続税法に不合格でも、相続大好き職員が養成できる事務所こそ、時代に合っている。
地道に顧問先の要望を聞き、先生とのつなぎ役をこなしているプロがさらに重きを置く。
そんな人材が明るく働ける事務所こそ、人知れず成長している事務所。
実は先生方の周りに、40代50代の経営者の下で、力をつけている事務所が増えているのです。
事業承継支援室長
大滝二三男