一昨年のこと、ある地方都市の先生からの電話連絡。
暮れも押し迫った時に、一人優秀な税理士資格を取った20代の若者を採用したという。
この若者を後継者として育てようとの目論見から、十数年ぶりの資格者の採用。
それまでは、税理士事務所に税理士は一人でいいと考え、資格を取った人は独立させた。
経営上も資格者にはそれなりの給与を支払う必要があり、コスト増を解消する意味もあった。
業務上は同じことをやっていても、資格を取れば税理士としての待遇が要求されるわけ。
生産性が挙がったわけではなく、顧問先を獲得してくることもないので、独立を応援した。
退職金代わりに数社の顧問先をつけて上げたこともあったが、ここ数年はそれもできない状況。
併せて、若い税理士が独立できるような時代ではなくなっていたので、採用はもちろんなし。
しかし、先生も高齢になり、自らも新しい税法などを理解するのに時間がかかるようにもなってきた。
そこで、自ら作り上げた事務所を、自分で育てた後継者に渡そうと考えたわけだ。
実際に一歩足を踏み出したところに、思わぬ事態が生じた。
実はガンの末期であることを、定期検診の結果知らされた。
抗がん剤などを服用していると体がきつく、日々の業務にも大きな影響が出てきていた。
若者を育てようにも、その時は徐々に気力もなくなってきていた。
まだ資格を取ったばかりの青年には、申告書の作成業務もできないし、お客さん廻りも任せられない。
時は待ってくれなかったし、ガンの進行もハイピッチに。
そこで已む無く、弊社に事業承継の連絡が来たわけだ。
若者にはもう少し他の事務所で実務を経験し、立派な税理士になってほしいと言い聞かせた。
勤務税理士を抱えた所長さんでも、「あいつには任せられない!」と相談に来る人も多い。
過去には、「あいつ(勤務税理士)は、俺が死ぬのまったいるんだ」と断言した先生もいたほど。
地縁血縁のない人に、事業を承継していくのは非常に難しいとつくづく感じることが多い。
事業承継はある程度時間をかけて行わなければならないのだが、そんな時間がないのもじじつ。
思いたったら、ぜひご相談ください。
数多くの案件のお手伝いをしてきましたから、必ずあなたの悩みを解消できると思います。
事業承継支援室長
大滝二三男
5月24日・東京、6月7日・小倉にて、税理士事務所事業承継セミナーを開催します。
受講料は無料ですので、希望者は、フリーダイヤル 0120800058 でお申し込みください。